【感想】 フェルマーの最終定理

【感想】 フェルマーの最終定理
フェルマーの最終定理(新潮文庫)

フェルマーの最終定理(新潮文庫)

著者: サイモン・シン

出版社: 新潮社

数百年解かれずに存在するような数学の難題に、知力で挑む、とはどのような生き様であるか。本書は、古代から現代に至るまでの数々の数学者が切り開いてきた論理の道や精神的・肉体的な苦難を描いており、そこに冷静と情熱が同居しているかのよう。こちらにも探究心が飛び火して気持ちが高まる。十代の頃、数学の問題を、一捻りして解いてみるのが好きだったことを思い出した。

また、言い方を変えれば、数学には人を魅惑する大きな力があることを、本書は示している。Wikipediaを引いてみると、数学は、「形式科学」という、記号システムによって抽象的な構造が記述される科学に分類されるとあった。

この「抽象」という記述から、飛躍して感じたこととして。いまの私の日々は、具体的なものと抽象的なもの、頭の中を占めている割合は (生活に追われて?) 前者のほうが大部分かもしれない。しかし、後者について思考をしようとする意識も、オーバーに言えば自分の内的世界に肉を付けてきただろうし、これからもそうである気がするのだ。