【読んだ本】 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

【読んだ本】 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

村上春樹 (著)

描かれている出来事は実は普遍的なもので、読者自身の過去に照らしたら、必ず何らかの共通項が見い出せそう。そう感じながら読んだ。

色彩と言ってしまうと、なんらかの物理量のような、視覚的・空間的で、かつ一瞬のイメージに囚われるかもしれないが、人に纏わる色彩は、長い時間経過が生み出す触感みたいなものもあるだろう。この物語をどう表現していいのか正直わからないのだが、時間と省察は、テーマにあるのではないかと想像する。