【読んだ本】 知能犯の時空トリック (官僚謀殺シリーズ)

【読んだ本】 知能犯の時空トリック (官僚謀殺シリーズ)
知能犯の時空トリック (官僚謀殺シリーズ)

知能犯の時空トリック (官僚謀殺シリーズ)

紫金陳 (著), 阿井幸作 (翻訳)

本作は、前回読んだ『知能犯之罠』に続くシリーズ物ということで、どのような点を引き継いでの新しい小説になっているのか、興味があった。ある技量を持った人間がそれを活かし、身近な人に至った官僚の悪事を制裁するべく怨念にもとづいて殺人を繰り返す、という話の流れと、幕切れの際に表現される様式はとても似ている。登場人物のだれか一人にずっと感情移入して物語へ真剣に入り込むという感覚には、あまりならなかった。技巧的なトリックを効かせた謎解きの進行を楽しむ、そんなひとときを得るもの。