【読んだ本】 「社会を変える」を仕事にする――社会起業家という生き方

【読んだ本】 「社会を変える」を仕事にする――社会起業家という生き方
「社会を変える」を仕事にする ― 社会起業家という生き方

「社会を変える」を仕事にする ― 社会起業家という生き方

駒崎弘樹 (著)

縦書きの所々の言葉がフォント大きめ状態という、どこか懐かしさを覚える体裁をしていた (読んだのはKindle版)。本書の全体、そしてその大きめな言葉の部分には特に、著者の本音と真面目さがブレンドされた語りとなっていて、私の場合はそれとうまく波長が合ったのか、先を知りたい気持ちでどんどん読み進んだ。

著者は、病児保育を事業の一つにしている「フローレンス」というNPOを興して経営している方だ。小さな子どもの具合が、突然悪くなってしまうのはまったく自然なことだが、そうすると保護者は安定的な仕事ができない。どうしたら良いのか。

現代の日本社会に抱いたひとつの疑問をたまごのように温め続け、孵化させるためにさまざまな試行錯誤をし、行政機関と折衝し、問題解決が可能な事業体を作り上げていくまでの様を、知ることができた。ちなみに本書は2007年の出版。NPOを対象とする助成金の弊害について言及もあり、できるだけ自立的な経営で事業を継続していく形を、著者が最重要視していたことが端々から伝わってくる。