Proxmox VEで仮想化プラットフォームを簡単構築

Proxmox VEで仮想化プラットフォームを簡単構築
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これまでUbuntuデスクトップ機として使ってきたPCを、自宅内での仮想環境実験場へと鞍替えします。仮想化プラットフォーム (仮想化基盤) の選択に関しては、VMware ESXiでの構築は過去にやったことがあるので、今回はProxmox Virtual Environment (Proxmox VE) での構築に初挑戦します。

Proxmox VEとは

Proxmox Virtual Environment (以下、Proxmox VE) は、Proxmox Server Solutions社が開発しているオープンソースな仮想化プラットフォームです。Debian GNU/Linuxがベースであるため、Debianが対応しているx86_64の様々なハードウェアに導入可能という利点があるそうです。公式サイト・公式情報はこちら。

「Proxmox」のスペルが、たまたま持っているドイツの財布「oxmox」のそれと似ているなあと気になって調べてみたところ、Proxmox Server Solutions社はオーストリアの企業でした。Proxmox VEの他にもBackup Serverなどのプロダクトを出しているようです。

Proxmox VEの導入

導入対象PC

Proxmox VEをインストールするPC Lenovo ThinkCentre M75q-1 Tiny (11A4CTO1WW) のスペックは次の表の通り。このPCとProxmox VEとの相性は、元々Ubuntu Desktop 20.04 LTSが使えていたわけなのでほぼ確実に問題ないでしょう。

項目内容
CPUAMD Ryzen 5 PRO 3400GE (物理4コア)
メモリ32GB (DDR4-2666 16GBx2)
SSD500GB (NVMe)

導入手順

次のページを参考にProxmox VEの導入を進めます。

導入手順はおおよそ次の通りです。

  1. 次のページから「Proxmox VE 7.1 ISO Installer」をダウンロードし、ISOイメージとしてUSBメモリに焼きます
  2. PCをUSBメモリから起動し、画面に沿ってProxmox VEのインストールを進めます (※インストール先ストレージの既存データは全て削除されます)
  3. Proxmox VEのインストール完了後、PCを再起動します
  4. 再起動後のPCの画面はCUIモード (黒い画面に白い文字が表示されている状態) となり、PCに設定されたIPアドレスを含むURL、例えばhttps://192.168.1.3:8006/というURLと、loginプロンプトが表示されます
  5. 表示されているURLにウェブブラウザでアクセスするとProxmox VEのGUI管理画面が現れます。また、Proxmox VE環境には ssh -l root 192.168.1.3でSSHログインが可能です
  6. Proxmox VEのサポートサブスクリプションを購入しない場合は、パッケージリポジトリをデフォルト (サポートサブスクリプション前提) から無償利用可能なものへと切り替えます。以下のようにaptのソースファイルを編集します。
## 既存ファイルを編集して1行コメントアウト
$ cat /etc/apt/sources.list.d/pve-enterprise.list
#deb https://enterprise.proxmox.com/debian/pve bullseye pve-enterprise

## 次のファイルを新規作成
$ cat /etc/apt/sources.list.d/pve-no-subscription.list 
# PVE pve-no-subscription repository provided by proxmox.com,
# NOT recommended for production use
deb http://download.proxmox.com/debian/pve bullseye pve-no-subscription

## パッケージ一覧を更新
$ sudo apt update

Web GUI

Proxomox VEのWed GUI (例: https://192.168.1.3:8006/) にて、言語として「Japanese」を選択した後、ユーザ名「root」でログインした状態の画面写真を以下紹介していきます。画面左側にはわかりやすい見出しのメニューがあり、おおよそ直感的に操作ができます。

1. VM関係

仮想マシンやLXCコンテナの作成は右上の青いボタン [VMの作成] [CTの作成] から行います。作成済みのVMの、ハードウェア設定とオプション設定の画面を開いた状態は次の通りです。

各VMのメニューから [コンソール] を選択するとVMの画面出力をブラウザ内で確認することができ、キーボードとマウスで操作も可能です。ESXiと比較して全く遜色ない雰囲気です。

2. ストレージ関係

ノードに接続しているストレージの一覧画面 (ローカルストレージ含む) は次の通りです。[追加] を押すと、各種ストレージを追加する画面へと進みます。ここでは自宅内にある3TBのNAS (qnap) を「SMB/CIFS」接続し、Proxmox VEの「VZDump バックアップファイル」領域と「ISO イメージ」領域に、このNASを追加割り当てしました。

3. バックアップ関係

VMの定期バックアップ機能も備わっています。バックアップするVMの選択、定期バックアップのタイミングや保存する世代数、バックアップ先のストレージ領域などがメニュー形式で設定できます。ここでは外部ストレージとして接続したNASへ、全てのVMのバックアップを2世代分保存するように設定しました。

4. クラスタ関係

ノード (仮想化ホスト) のクラスタ構成の設定画面もあります。仮想マシンを沢山立てて本格的に遊ぶようなときにはノードのクラスタを組んでみたいです。

感想

Proxmox VEには、x86_64ハードウェアのPCを簡単に滞りなく仮想化プラットフォームへと変える汎用性が備わっていそうです (例えばESXiだとRealtek製NICに対応させるなら手順が別途必要だったりします)。そして、およそ思いつく限りの機能が分かりやすくGUIで扱えて、かつ無償利用できるところに感心しました。

また、今回のProxmox VE 7.1のOS環境はDebian GNU/Linux 11 (bullseye) そのものと言えます。したがって他のDebian系と同様の慣れた方法で、自分なりの仕掛け作りを行うことができます (たとえばTailscale VPNを導入してみたり、rclone等でクラウドストレージと連携してみたり)。個人的に運用するとしてもこのような取っつきの良さは重要な要素であり、Proxmox VEの実用性を高める大きな魅力だと思います。

参考リンク