MacBook M1のサーマルパッド改造とベンチマーク

MacBook M1のサーマルパッド改造とベンチマーク
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⚠️ 本改造には、メーカー保証が無効化される可能性があります。また、筐体の熱伝導の状態を変えてしまうため、内蔵バッテリーの温度管理にも悪影響が及ぶ恐れがあります。くれぐれも御安全に!

熱を積極的に逃がそう

MacBook Air M1の裏面やキーボード面は稼働中にほとんど熱くなりません。これは、M1チップ自体が低消費電力であることと、CPU等の熱を外側へ積極的に伝導させていない筐体設計による恩恵であり、快適な使い勝手を生みだしていますが、巷の情報によると発熱を抑制するためのCPU速度制限もかなり効いているとのこと。したがって逆にCPU速度制限を極力させないためには、筐体を通じて外へ熱を逃がすのが一つの手であり……。

MacBook Air M1の筐体内にサーマルパッド (熱伝導シート) を挟み込む改造をします。次のようなサーマルパッドと、M1を開封するための星形「P5」のドライバーが必要です。

品名価格(税込)備考
Thermalright ODYSSEY THERMAL PAD 120x120x1.5mm3,492円Amazon.co.jp
シリコンサーマルパッド、冷却ラジエーターフィン、120x120x1.5mm両面放熱シリコーンパッド、熱伝導性12.8 W/mk、軟らか材質、SSD CPU GPU LED ICチップセット冷却用

シリコンサーマルパッド、冷却ラジエーターフィン、120x120x1.5mm両面放熱シリコーンパッド、熱伝導性12.8 W/mk、軟らか材質、SSD CPU GPU LED ICチップセット冷却用

M1の裏蓋のネジの扱いはくれぐれも慎重にしなければなりません。そもそも開封することでメーカー保証は諦めているわけですが、もしネジ穴を丸めてしまうと、物理的にも心理的にも相当なダメージとなります。(>_<)

作業の様子 (写真)

MacBook M1開封の図。Macの中はミニチュアの都市のようでほんとかっこいい。

120mm四方のサーマルパッドをどのように切り取って使えばよいのか、絵を描いて検討している図。

実際に貼ってみた図。写真左側の四角いグレーのシート部分は厚さ約3mm (1.5mmの2枚重ね)、写真右側のグレーのシート部分は厚さ1.5mmとしています。

ベンチマーク結果

改造前後でどのような違いが出るのかを確認するため、Cinebench R23にてベンチマークを取ってみました。測定条件は次の通り。

  • 測定場所: 室温16〜17度の部屋内の木製の机の上
  • ベンチマーク実行時間: 10分間
条件CPU (Multi Core) pts変化
MacBook Air M1 (2020, 8-Core GPU) 無改造7,312
MacBook Air M1 (2020, 8-Core GPU) サーマルパッド改造済7,761+6.1%

サーマルパッド改造の結果、Cinebench R23のスコアが約6%向上しました。改造した後で気付いたのですが、巷の改造記事ではベンチマークをより長い時間回しているようでした。私の実験は比較的冷えた環境でかつ短時間での実行だったので、無改造でも筐体の放熱が間に合う環境だった可能性もあります。本結果はあくまでひとつの参考ということで。

参考リンク