【読んだ本】 Winny 天才プログラマー金子勇との7年半

【読んだ本】 Winny 天才プログラマー金子勇との7年半
Winny 天才プログラマー金子勇との7年半 (NextPublishing)

Winny 天才プログラマー金子勇との7年半 (NextPublishing)

著者: 壇 俊光

Winnyの利用者だけでなく開発者も起訴されるという、衝撃的だった冤罪事件。本書はその記録で、Winny開発者の弁護団の弁護士による著だ。2004年に始まって2011年に無罪が確定した裁判をどのように争っていったかが、著者本人の感情も赤裸々に、時折顔文字混じりに、日記のように記されている。開発者である金子氏との交流が密になっていく様子にはニンマリさせられるところもある。軽快な文体に助けられてスムースに無罪が確定するまで読み進むのだけど、しかしその間には7年半という、取り戻せない年月が経過したのだった。

また、小説や映画の中でフィクションとして描かれることもある、いわゆる不当な取り調べの場景や論理が、本件での実際はどうだったのか。それを知ることも重要だと思う。極論を言うと、人間は誰もが道具を作り出す可能性を持つのだから。

私は本書を読み終わるころ、過去の仕事の現場で運用に関わっていた、あるソフトウェアの名前を思い出していた。それは「SkeedSilverBullet」という、通信プロトコルとしてTCPではなくUDPを使用するファイル転送システム。TCPでは通信のレイテンシーが増えるにつれ応答の待ち時間も増加し、データ転送の実効速度が必ず落ちてしまうが、UDPを使用するこのソフトウェアには独自の技術が実装されていて、確実性を担保しながらも実効速度があまり落ちないという特徴がある。その結果、遠距離間での大容量ファイル転送が比類なき効率で行える。本書の金子氏は、このソフトウェアを開発したSkeed社 (商号変更前の株式会社ドリームボート) のファウンダーだったのだなあ……。

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