【感想】 プラスチックの恋人

【感想】 プラスチックの恋人

                
                    
                    
                        プラスチックの恋人 (早川書房)

プラスチックの恋人 (早川書房)

著者: 山本 弘

出版社: 早川書房

人間の性的な相手を、人形ロボットすなわちアンドロイドが担う商業サービスが成り立っている、2040年代の日本を舞台にした物語である。そのサービスを享受する費用は高額 (おそらく月収の数十%) であるが、触覚・嗅覚・味覚的には精巧に作られた実体に直接、そして視覚・聴覚的にはARを介して接することになるアンドロイドには、性格や容姿含めて様々なタイプを設定でき、人間は完全に思いのままに、“好みのロールプレイ”の世界へ没入できるようになっている。

タイトルの状況にはまり込む一人である主人公は20歳代後半の女性。この物語で特徴的なのは、上記サービスを提供するアンドロイドが華奢な少年型・少女型である場合を描き、社会的に起こりうる波紋や騒動を想像させて、倫理性や人間性を考えさせる問いかけをしているところだと思う。