【感想】 自壊する帝国

【感想】 自壊する帝国
自壊する帝国(新潮文庫)

自壊する帝国(新潮文庫)

著者: 佐藤 優

出版社: 新潮社

組織神学を大学生・院生時代の研究テーマにしていた著者が、ふとしたきっかけで外務省に入り、崩壊していくソ連 (ソビエト社会主義共和国連邦) での日本国外交官としての様々な体験を記述した書。

外交に携わる人々が、どのように他者を探って地道に関係性をつくり情報活動を行っていくかの、裏表を知ることができる。いわゆるインテリジェンス活動の実際が興味深いし、おもしろかった。

そのインテリジェンス活動の関連で、私にもっとも新鮮だった本書での知見は、国家や政府の情勢の先行きを確度高く予測するためには、どうやら各組織体が寄り添っている「宗教」を理解しておくと非常に強力だ、ということ。そして著者は、「内在的論理」という特徴的な言葉を幾度も登場させているが、これと宗教とを非常に密接に捉えていると私は考えた。

私は宗教に対し、ぶっちゃけいってほぼ無理解であったが、人間の内在的論理だと言われるとがぜん面白みを感じるものになる。小さくてもいいので、宗教を解釈できるプリズムを持ちたいなとも思った。