【感想】 本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

著者: 原田マハ

出版社: 徳間書店

主人公はふとしたことでスピーチの力に惚れ、スピーチライターという仕事を自らの専門にしようと奮起していく。夢があって、スピーチの業界に少し詳しくなれてかつ楽しめる、映画になりそうなサクセスストーリーだった。

書き言葉とは違って、抑揚がある肉声で語られて耳で聞く、スピーチの力を再認識した。

ただし、正しい再認識のためには良く聴いて、スピーチを素直に直球で受け取るだけではなく、受け取る者の印象を冷静に分析するようなメタ視点が必要になるとわかる (たとえば自分はなぜこのスピーチに感動しているかを洞察する視点)。また、スピーカーが、相対的に【何かを述べていない】として、その何かを述べていないことがどういう戦略なのかを考えなければならない。とくに、大人数をある意味扇動しようとする局面のスピーチにおいては。

本作の著者 (原田マハ) とは、波長が合いそうに思った。さっそく次の読み物として『楽園のカンヴァス』を仕入れている。