【感想】 2018年版間違いだらけのクルマ選び

2018年版間違いだらけのクルマ選び

2018年版間違いだらけのクルマ選び

著者: 島下 泰久

出版社: 草思社

本書でのEVシフトの論調は、一般的によく耳にする懐疑的な視点のものだが、それは世界とは、ずれていると思う。EVシフトの根源的な理由を僕はこう考えたい。もしも、自分のいる地域で自然エネルギーを利用した電力供給が進んでいたらば、その電力を使って走る車に乗りたいなぁと思うのが、エコロジーを志向する者の次の思想になるのでは、と。

いわば、EVシフトは、電力源が構造的に変化している時代を察した人間にとっては自然な流れではないか。そしてその逆として、自然エネルギーの利用が進んでいない状況下 (たとえば日本) ではその流れを理解しがたいんじゃないかと、仮説を立ててみている今日この頃です。

電力会社を電力源などの要素で既に選択可能な北欧のような社会では、同様に車を、燃費・電費の比較だけではなくて、車の燃料が自然エネルギー由来かどうかで選択していても不思議ではない。キーワードに反応するだけではない真の価値判断がなされつつある、という前提に立てば、EVシフトは、車版の「自然エネルギーシフト」だと言い換えるほうが実状を捉えているだろうなあ……。

毎年の趣味の総括として、年末にこのシリーズを読了するのが僕の楽しみだ。今回の2018年版からは、車にいわば視覚と判断能力を持たせる、予防安全技術・運転支援技術を搭載する車種のレンジが着実に拡がっている傾向や、アジリティと乗り心地はそもそも二項対立ではないことがますます当たり前になっている雰囲気を感じとることが出来た。きっと一年先にも、新型車を定点観測する意味で本書の新刊を開いていることでしょう。