GPD Pocketの熱対策用に、放熱シートと精密ドライバを取り寄せたことを先日の記事に書きました。それらがさっそく届いたので、GPD Pocketを分解し、熱対策の改造をやってみました。簡単にまとめます。
なお、これは私の趣味としての改造ですので、そもそも物理的に純正以上のベターな放熱が出来ているか、部品類に悪影響が出ないか、という点での保障はありません。あしからず。
分解して本体内部を観察、放熱シートの貼り方を考える
- 事前にたとえば GPD Pocketの分解と熱対策カスタム : 魔王の引き出し を参考に、今回の改造の雰囲気を掴んでおきます。
- 精密ドライバの「+0」を使って、GPD Pocketの裏蓋の6本のネジを外します。6本のうち、ヒンジ側中央の1本のみが、少し長いネジとなっています。
- 放熱シートは、今回はあらかじめ、厚さ1mmのものを選択しています。本体裏蓋と内部の間に放熱シートを挟んで密着させるには、0.5mm厚では薄すぎるだろうと予想していたので。
3M ハイパーソフト放熱シート 5580H-10 100mm x 100mm x 1.0mm厚
スリーエム(3M)
- この放熱シートを、GPD Pocket内部を眺めながら、どのように貼り付けるかを考えました。熱対策の方針としては次の通り。
- CPUやヒートシンク、メモリなどのICチップから発せられる熱を、できるだけ直接、本体裏蓋に逃がして放熱を助ける
- バッテリーは一緒に温まってほしくない
- なお、GPD Pocket内部の解説としては、Flickrのdork_vaderさんのアルバム「GPD Pocket Teardown」にあります、次の写真を参考にしています。
本体内部と裏蓋に、このように貼った
上の写真で分かるように、1mm厚の白い放熱シートを、10cm2使い切るぐらいベタベタ貼りました。具体的には下記のような作業です。これぐらい貼っても、本体内部と裏蓋が部分的に密着しつつ、なんとか元通りに裏蓋を閉めることは出来ています。
本体内部のほう
- ヒンジ側にもともと付いていた、GPD純正の黒い放熱フィルム?は外した。このフィルムの裏側にピンク色の放熱シートが付いていたので、同じように約1cm角の放熱シートを作って、黒いフィルムの下のIntelチップに貼る。
- バッテリー近くに4つ並んでいるELPIDAメモリーチップの上に、橋渡しになるよう、5mm幅程度の放熱シートを作って貼る。
- CPUからファンに向かって伸びている、銅のヒートシンク&ヒートパイプを覆うように、放熱シートをペタペタ貼る。このとき、上記のIntelチップとELPIDAチップの発する熱も伝導するように、それらチップに貼った放熱シートにも重ねます。
裏蓋のほう
- 裏蓋を閉めたときに、本体側のCPU部分と密着するような位置に、数cm角の放熱シートを貼る。
- 同じく裏蓋を閉めたときに、本体側のバッテリーの右側部分 (CPUから遠い方) と密着するような位置に、数cm角の放熱シートを貼る。
熱対策の効果について
今回は勢いで改造して、改造前に定量的な測定をしていなかったので、ぶっちゃけ主観的な感想になります。
- 負荷をかけるためにYouTubeのHD動画をフル画面で再生するような場合、改造前はCPU温度が60℃を超えて、しかもフリーズするようなこともあったが、改造後は、なかなか60℃に達しなくて、粘り強くなったような気がする。このとき、ファンはおそらくMediumスピードで回っている。
- 本体の裏側右側や上部右側は、高負荷時に熱くなりやすくなっているような。これはもちろん、狙い通りではある。