正欲
朝井リョウ (著)
これは、レビューをどこかで見かけて読んでみようと思い立った小説で、図書館での本の貸出状況を調べると抜群に予約数が多いことに驚かされた。タイトルの『正欲』は、国語辞書には掲載されていない言葉だと思われるが、本書を読み終えた後には、“正しい欲”の意味だろうなとその字の通りに解釈してよさそうに感じる。
ぶっちゃけ、感想を体系的にはうまくまとめられない内容であった。他人を思う想像力には所詮限界があるんだぞ、そう諭されたように私は読後直後の自分を分析している。
そして本書の部分部分では、自分の過去の記憶や考えがふっと呼び起こされた。それは具体的には次の二つ。