【感想】 不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

著者: 鴻上尚史

出版社: 講談社

この飛行は死ぬことが目的、と命令される極限の状況で、人はどうするか。

前半、論調は静かなのだがとても重苦しくさせられる。私の心は、特攻隊で飛んで亡くなった自分の親族本人 (四親等の距離になる) や周囲の気持ちに想像で迫ってみようとしてみたり、現代に生きている者として、社会や所属組織における主従関係にこの状況をさまざま当てはめてみたりした。そうして、「寿命の中で真剣に考え、生きるとはどういうことか」、問いかけられている気持ちになる。

後半の、日本が特攻隊を生むに至った、戦後70年を過ぎたゆえに行われる洞察のくだりは、するどく明瞭だ。『社会』と『世間』の区別から始まる、ここで論じられる考え方は、自分自身を客観視する力の糧になると思う。これはたとえば十代の私にも勧めたい、指針的な書のひとつ。