【感想】 ビッグデータ・コネクト (文春文庫)

ビッグデータ・コネクト (文春文庫)

ビッグデータ・コネクト (文春文庫)

著者: 藤井太洋

出版社: 文藝春秋

所々にある、ソーシャルエンジニアリングを含むハッカー目線での細かな状況描写が、面白さをかき立てていた。作中の真面目な開発エンジニアが、職務に対する義務感から自らをおかしくする様に、少しばかり自己投影してしまうところもある。個人の登録情報や履歴に関する多種多様なデータを、突き合わせることで可能になるデジタルな「名寄せ」が生みかねないものは何か。それらが当人を裏切って不利益をももたらす、『バーチャルスラム』に繋がる世界を想像させた。