【読んだ本】 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

【読んだ本】 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭
限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

ジェレミー・リフキン (著), 柴田 裕之 (翻訳)

僕の好きな小説に、池澤夏樹の『すばらしい新世界』がある。風力発電のエンジニアが登場する、今の言葉で言うコモンズを匂わせるストーリーに未来を感じていた。

今回の『限界費用ゼロ社会』は、もう小説ではなくて、人間社会を取り巻く現在進行形にある怒濤の変遷を描いている。物は所有するよりもシェアしてアクセスするほうがしっくりする。ヒトは共感をSNSで自然と広めている。エネルギー・インターネットが次に来て、社会の力学を水平型に変える。

僕は自分の価値観をアップグレードして、「社会関係資本」に基因するものに変えていけるのか。これから数十年の労働環境はどうなっていくのか。地球環境の持続可能性は、はたして高めていけるのか。ミクロでもマクロでも不安は尽きないけれど、人間各々がとる本能的な舵取りが、大局的には知的なものになるように、なんらかの助けになるよう生きたいと思う。