【読んだ本】 非常識な本質

【読んだ本】 非常識な本質
非常識な本質

非常識な本質

水野和敏 (著)

「ミスターGT-R」と称されている水野和敏氏の、自分なりの感触でいうと、仕事への取り組み方を論じた一冊。私は後述のように同類の書籍をこれまで何冊か読んできていて、あるサイトのおすすめ本にひょいと表れた本書を、実は“新作”だと勘違いし、読み始めた。著者の主張をおさらいして自分の中で補強する意味合いと、そして新たなエッセンスや最新の情報を仕入れることもできるかなという点に期待して。

ところが、どうもヘンだなと気づいた。他で読んだことのある逸話がよく取り上げられる。そして文体が、あまりソフィスティケートされていない印象だ。私が読んできた同著者の書籍について読了日と出版日を一覧表にしてみたところ、今回の『非常識な本質』は、この中で最も初期に出版されているものだと判明。なるほど、そういうことなら合点がいく。本書は著者の主張の源泉に近いのだろうから。

書籍名出版日読了日
非常識な本質2013-08-232025-10-31
プロジェクトGT-R 常識はずれの仕事術2013-10-022015年より前
バカになれ! カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」2014-11-272017-01-22
ベストカー水野和敏SPECIAL2017-01-232017-01-29
0→100(ゼロヒャク)生み出す力2022-07-072022-11-11
カリスマエンジニアが自動車評価の神髄を伝える 水野和敏が斬る!!2023-10-242023-11-10

上記の年表のようなものを記したゆえに連想したこととして。この年表に私自身の職務経験を重ねて振り返ってみると、そういえば現在の働き場所の人員構成は、これまででもっともコンパクトだ。構成員の数が少ない場合、「工数」ではなくて著者が言う「能数」を判断基準に使ってチームをまとめていくしか、仕事の進めようがなくなるように思う。この現状は、リソースの制約が必然的にそうならざるをえない状況を作ることにつながる、一例なのかもしれない。

このように結局、自分自身の現状はいまどうなのだろう?という確認に繋がった本書は、忘れがちな私にとってリマインダーの意味があった。過去から注目しているひとつの方法論を、再び時を経て、その時の自分に当てはめることで、またおいしい話として咀嚼できた感がある。