【読んだ本】 危機を乗り越える力 ホンダF1を世界一に導いた技術者のどん底からの挑戦

【読んだ本】 危機を乗り越える力 ホンダF1を世界一に導いた技術者のどん底からの挑戦
危機を乗り越える力 ホンダF1を世界一に導いた技術者のどん底からの挑戦

危機を乗り越える力 ホンダF1を世界一に導いた技術者のどん底からの挑戦

浅木 泰昭 (著)

近年のHondaは、2015年からパワーユニットに関わる形でF1へ参戦し、2021年からチャンピオン獲得に貢献する結果を残してきている (F1でいう“チャンピオン”は厳密には「コンストラクターズチャンピオン」と「ドライバーズチャンピオン」の2種類ある。この2つにどのようにHondaが絡んでいるかの詳細を私は本来述べるべきであるが、コンストラクターズチャンピオンのチームが、Hondaのパワーユニットを使っているもののチーム名にHondaを含まない場合などあって話がややこしい。したがって詳細は割愛)。

著者は、このF1パワーユニットを手がけた技術者 (開発総責任者) である。技術の話はまず面白くて読書が止まらない。エンジンオイルの燃焼に対する考え方を、燃料を規定するレギュレーションに照らしつつチームでどう定めるか、つまりモアパワーのため“燃やせるものはすべて燃やす”のか、など。また、定年退職のタイミングに書かれた著作だからであろうか、次世代の技術者育成に関しても重ね重ね述べられている。組織としてHondaはこれからどうあるべきか、という想いと愛も溢れている。

参考リンク

Hondaは、「Aston Martin Aramco Cognizant Formula One® Teamへ2026年からパワーユニットを供給」という形で、再びF1へ参戦する。

2026年からのF1のスタンスについて、上記ページから抜粋する。さて、世界最高の技術と効率が披露されるレース、良い意味でどれぐらい荒れるだろうか?

F1は、2030年のカーボンニュートラル実現を目標として掲げており、2026年以降は、100%カーボンニュートラル燃料の使用が義務付けられるとともに、最高出力の50%をエンジン、50%を電動モーターで賄う形となり、現在※2と比べて出力に占める電気エネルギーの比率が大幅に高められることになります。