【読んだ本】 税金の世界史
税金の世界史
ドミニク・フリスビー (著), 中島由華 (翻訳)
税金の世界史は文明のそれに等しいほど長いんだと教えてくれる、税というレンズで世界史を見通すことができる新鮮な書物である。古代文明に始まり、南北戦争やふたつの大戦などの税との関係性が解説されており、初めて知って驚くことも多々あった。また、所得税・消費税といった身近な税はもちろんのこと、インフレ税・インボイス制度といった私はまだ聞き慣れない言葉も、世界の歴史の中には前例があると分かる。
本書によって改めて重要だなと認識したのは、こうした、税の制度や徴収方法をコントロールする国の施策の社会への影響度合いや、国の税収入の用途について、世界史にある事例を踏まえて捉えた上で、未来の税とはどうあるべきかを大胆に考えること。本書の後半では、無形資産や非中央集権的な仮想通貨に対して、課税はどうなっていくのかの考察もなされている。