【読んだ本】 予測不能の時代: データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ

【読んだ本】 予測不能の時代: データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ
予測不能の時代: データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ

予測不能の時代: データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ

矢野 和男 (著)

21世紀が予測不能の時代であることを示し、過去をなぞるような行動規範では時代に対応できないため、元来の (=上位の) 目的を踏まえつつ現状を俯瞰するような視座が必要であると、本書は全編で主張する。

私が本書を力強く感じるのは、「幸せ」は人間行動をセンシングすることで測定でき、その幸せは、いわゆるパフォーマンスを定義する客観的指標と強い正の相関があることを明らかにしている点だ。この部分は、前作の『データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』から研究が進んだものになっているのだろう。

「幸せ」を組織でマネジメントする方法や、AIは過去にないパターンを発見するために用いるものという見解、富の格差の要因をエントロピーで説明するところなどなど、大変に刺激が多い。最後には予測不能と向き合う最古の方法として『易』が紹介されていて、それを実践するアプリを個人的に作ろうかとも思った。とにかく本書は悟りに満ちていて一度の通読では消化できた気がしない。もう一度読む必要がある。

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