【読んだ本】 炎の塔

【読んだ本】 炎の塔
炎の塔

炎の塔

五十嵐貴久 (著)

タイトルが暗示するのは、高さ450mで100階建てという、恐ろしく巨大なビルディングの成れの果てだ。あらゆる物を舐め尽くす炎に、居合わせた人々や圧倒的少数の消防士たちが追い込まれながら、命を救おうとするドラマ。その中に分かりやすく、現代の世相を滲ませている。寝床で読み進めて、だいたい二晩で終えた。

ネタバレになるので具体的には書きませんが、伏線がある程度予想通りに回収されるところは、こちら読者としての醍醐味のひとつであるし、それを超える構想で「おおっ?!」と言わせるストーリーを展開できるかどうかは、作者の腕の見せどころ。後者に関して、私はまあまあの納得度でした。