【観た映画】 ドリーム

【観た映画】 ドリーム
ドリーム [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

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タラジ・P・ヘンソン (出演), オクタヴィア・スペンサー (出演), ジャネール・モネイ (出演), ケビン・コスナー (出演), キルスティン・ダンスト (出演), ジム・パーソンズ (出演), マハーシャラ・アリ (出演), セオドア・メルフィ (監督)

1960年代の宇宙開発競争に奮闘しているNASAを舞台に、3人の黒人女性が、努力で当時の差別を跳ね返して望む夢を掴んでいく、実話ベースの映画。原題は『HIDDEN FIGURES』である。本作の概要から容易に予想されることとして、職務において抜きん出た高い能力を発揮し、そして自らの次の目標を目指す者を、理不尽な理由を付けて起用しない職場環境、またはそうはさせず押し留めようとする社会勢力が幾度も描かれる。

この映画には全体に爽快さがあるし、おそらく大多数に受け入れられやすい内容だろうと考える。その一つの要素として思うに、アメリカ合衆国として、宇宙競争でソ連に勝利する可能性を何が何でも高めなければならない、すなわち結果が国益に大きく関わるという究極の状況において、当時のNASAにある、肌の色そして性別で差別をしていた制度や風習が、コストとメリットの観点でどれだけ切迫した状況と釣り合わないものか、コントラストが分かりやすいからだ……。

と、わざと斜に構えた見方を書いてみたが、これは冗談。本作のエッセンスは、理不尽を見抜いて物事を変えていくことが道を拓く、と巧みに伝えているところだと思う。そのためには人に、論理的思考と洞察力、行動、社会的風習を脇に置いて飛躍のできる想像力が欠かせない、と改めて教えられる。