【読んだ本】 最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
ジェームズ・R・チャイルズ (著), 高橋 健次 (翻訳)
若年層に属した頃の自分の記憶に深いスペースシャトルの2つの事故や、石油掘削基地、航空機、殺虫剤製造プラントといったさまざまなところで起こった多数の事故を、組織的・人的要因を軸に分析している。
複雑なマシンフロンティアの拡大により成立している現代では、人は過去の事故から貴重な教訓を得て、それを繰り返し活かさねばならぬ。著者のこうした思いを強く感じ取る。また、人のミスの仕方を広く知るための【失敗知識データベース】 ([1] 失敗に関する情報や調査結果が当事者等から公開され、[2] 第三者が網羅的に参照できる仕組み) の存在価値が、本書を通じて非常によくわかる。