【感想】 コンタミ 科学汚染

コンタミ 科学汚染

コンタミ 科学汚染

著者: 伊与原新

出版社: 講談社

大学研究室のM1学生と指導教員が、疑似科学に絡むミステリーを解明するために動く。これはいわゆるワトソンとホームズの王道スタイル。また、昨今の“科学”ゴシップも取り入れられていたり、一般的な研究室の組織構造や師弟関係、論文の査読システムやディプロマミルに触れている部分があり、学術界とはどのような世界なのかを紹介する軽快な物語にもなっている。

私がなにより面白かったのは、科学の姿と人間の様を鮮やかに対比させることに本作は挑戦し、全体としては重たく、時には軽く、読者を揺さぶってくるところ。後者の一例としては、科学を分かっている者が話術として「血液型」「星占い」を用いて親近感をはぐくむ場面。これは一体どういう心理状況なのかを想像するのはなかなか楽しめる。