【感想】 ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた (集英社新書)

ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた (集英社新書)

ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた (集英社新書)

著者: 高橋源一郎

出版社: 集英社

当たり前の存在や現象やしきたりについて、「過去からそうだったから」以外の成り立ちの理由をしっかり考えなおすのは、実際のところ難しい。それをコピーではなく作ることに挑むとなると、根源やあり方を自ずと考えなおすことになる。

本書では、通常なら「国」と書く「くに」について、これをやってのける。登場する人物や場所は抽象的だったり空想的だけどそれ故に、重ねあわせたり、想像したりといった思考の自由が、読者には存分にある。ふとした時に巡りあう、こんなふうに平易な言葉で書かれている小説が、現代の課題の本質に肉薄する醍醐味を味わう。