【感想】 白い航跡(下)

【感想】 白い航跡(下)
新装版 白い航跡(下) (講談社文庫)

新装版 白い航跡(下) (講談社文庫)

著者: 吉村昭

出版社: 講談社

イギリス医学v.s.ドイツ医学。日本海軍v.s.日本陸軍。実証v.s.固執。 二項対立の形で書き並べてみたが、これではとても表現できていないな……。倒幕の時代から入る、この歴史小説の奥行き、ドラマチックさ。

ひとつの病の原因特定への道を啓くまで、どれほどの素質を持っている飛び出た個人がまず存在することが必要で、多くの協力者や体制がさらに必要であるか (この前読んだ『世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方』と繋がる知見かも)。

しかし、著しい数の犠牲者が出ても内部から変わっていけない社会組織もある、という、《正しく疑う》ことが出来ないゆえの悲惨さ。 時代やスケールを問わずとても多くみられるパターンじゃないかこれは。と、心に沁みる。