リモートデスクトップソフトウェア「RustDesk」をRaspberry Pi OSへ導入する方法

リモートデスクトップソフトウェア「RustDesk」をRaspberry Pi OSへ導入する方法
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デスクトップ画面をリモート操作できるOSS

様々なOSのデスクトップ画面を、インターネット経由で遠隔操作できるようにする「RustDesk」というソフトウェアがあります。有名どころであるTeamViewerと同等の働きをするOSS (オープンソースソフトウェア) です。このRustDeskを、ラズパイのデスクトップ画面を遠隔操作するために導入する方法をメモします。

テスト環境

項目内容
ハードウェアRaspberry Pi 3 Model B
OSRaspberry Pi OS (32-bit) with desktop, Release date: March 15th 2024, Debian version: 12 (bookworm)
外部ディスプレイHDMI端子に接続
Boot / Auto Login設定デフォルトの「Desktop Autologin」 (起動するとデスクトップ環境へ自動ログインする状態)

余談: 今回は具体的には、ちょっと古めのラズパイ3の上でアマチュア無線関係のdmonitorというGUIアプリをheadless運用で使ってみたいので、その前準備としてRustDeskを導入します。

RustDesk導入手順と画面の例

  1. microSDカードに焼いたRaspberry Pi OSを用いて、ラズパイを起動します
  2. OSを最新化するためにsudo apt updatesudo apt full-upgradeを実施します
  3. CPUとOSに合うRustDeskのパッケージを https://github.com/rustdesk/rustdesk/releases/latest からダウンロードします
    • RustDeskのパッケージは、デスクトップ画面を操作する側と操作される側のものが統合されています (パッケージ1つでどちらにもなれる)
    • 今回のラズパイ3の場合は「ARMv7 (32-bit) Ubuntu」版 (.deb) をダウンロードします
    • 記事執筆時点での最新バージョンは「1.2.3-2」でした
  4. sudo apt install ./rustdesk-1.2.3-2-armv7-sciter.debを実行して、RustDeskのdebパッケージをラズパイにインストールします
  5. ラズパイのデスクトップ環境にて、画面左上のラズパイマーク > Internet > RustDeskを起動します
  6. RustDeskのウィンドウの左側に表示されているIDとOne-time passwordを読み取り、その認証情報を用いてお手元のPCのRustDeskからアクセスすると……
  7. ラズパイのデスクトップ画面が、お手元のPCからリモート操作できます
  8. RustDeskの各種設定変更はID右側の「︙」のメニューにて、パスワード関連の変更はpassword右側の「✐」のメニューにて行えます
  9. PC間でファイル転送を行う機能も備わっています

RustDeskの、中継サーバのself-hostやその他詳細については、下記公式ドキュメントなどを参照するのが良さそうです。

HDMIダミープラグでのheadless運用

外部ディスプレイをHDMI接続しない状態で起動したラズパイへ、RustDeskから接続しようとすると、RustDeskに「No Display」と表示されて接続ができません。これは、一般的なリモートデスクトップ接続ソフトと同様にRustDeskにおいても、操作されるPCにおいて転送データの元となる実際のデスクトップ画面が必要なのですが、ディスプレイを接続しない状態では画面が存在しないためです。

しかしこの制限はいくつかの方法で回避でき、シンプルかつわかりやすい方法は、「ダミープラグ」と呼ばれるものを操作されるPCに挿しておくことです。これだけで、ディスプレイ無しでの運用 (headless運用) が可能になります。

ADWITS 1 パック HDMIバーチャル・ディスプレイ HDMI エミュレータ HDMIダミープラグ DDC EDIDエミュレーター 4K@60HZ (HDMI)-ゴールド

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