日本では2024年02月に発売開始され、またしても私は勢いで購入したRaspberry Pi 5 Model B。これをファンレスのアルミ製ケースと小指の先ぐらいの小さなUSBスティック型SSDと組み合わせて、ちょうど先日リリースされたばかりのUbuntu Desktop 24.04 LTSを起動してみた、の巻です。
種別 | 商品名 | 購入価格 (税込) | 購入店 | 備考 |
---|---|---|---|---|
SBC | Raspberry Pi 5 (8GB) | 15,290円 | スイッチサイエンス | |
ケース | EDATEC Passive Cooling CNC Case | 2,706円 | スイッチサイエンス | |
USB-SSD | Buffalo SSD-PST250U3-BA | 4,950円 | ソフマップ・ドットコム | セール実施時に購入 |
Raspberrypi5 8G ラズベリーパイ5 技適取得済マーク入り商品
Raspberrypi
Raspberry Pi 5 ラズベリーパイ5 /日本技適取得済/ 8GB RAM Broadcom BCM2712 quad-core Arm Cortex A76 プロセッサー @ 2.4GHz
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バッファロー
ラズベリー色が特徴的ないつもの箱。Raspberry Pi 5 / 8GB (技術基準適合証明あり版) を購入しました。技適シールは本体の箱に貼られている状態です。
こちらの白い箱は、高そうな放熱性能とかっこよさに惹かれて選んだアルミニウム製のケースです。基板に密着するサーマルパッド (放熱シート) がケース内部の上下に予め貼り付けられています。
ケースの同梱物は小さなビニール袋に収められています。その中にはおそらく「H1.5mm」規格と思われるネジ類の他に、黒いプラスチック製の短い棒のようなものが入っており、用途が最初は不明だったのですが分かりました。ということで捨ててはいけません!
この黒い棒は、Raspberry Pi 5の基板上に横向きに設けられている白い電源ボタンを、ケースの外側から押すための突起になります。忘れずに取り付けておきましょう。
ネジ4本を締め上げて完成させた本体 + ケースの総重量は実測で208g。本体 + ケース + USB-SSD だと212gでした。手にずっしりくる重さ感覚は良きです。
Raspberry Pi 5を起動するOSを準備します。既存のPCでRaspberry Pi Imagerを起動し、OSの選択肢の中から「Ubuntu Desktop 24.04 LTS」のイメージを選び、USBスティック型SSDに焼きます。
Raspberry Pi 5に外部ディスプレイをHDMI接続し、USBスティック型SSDを青いUSB 3.0端子に差し、次に、USB Type-C経由で電源供給するとラズパイが起動し始めます。
ただし今回の実験では、5V/5Aという大電流を供給できない適当なUSB電源を使っており、かつUSB端子に接続したデバイス (ある程度の電力を消費する) からOSを起動しようとしているため、次のような警告画面「USB boot requires high current (5 volt 5 amp) power supply.
」が表示されてbootが一時中断されました。
ここは初回なのでとりあえず「press the power button to temporarily enable usb_max_current_enable
」を行って起動を継続します。話の順番が前後しますが、Ubuntuのインストールに成功した後にはconfig.txtを次のように編集しておきましょう。なお、実験に使用したUSB-SSDは省電力なので問題はありませんでしたが、ある程度以上の供給電力を要求するUSBデバイスが接続されていると、本当に電力不足で起動できないことも考えられますのでご注意。
$ diff /boot/firmware/config.txt{.original,}
55a56,58
>
> # CUSTOM
> usb_max_current_enable=1
USB-SSD (Buffalo SSD-PST250U3-BA) の読み書き速度を比較するため、SBC本体のみを交換して比較すると次の通りです。
SBC本体 | 方向 | R/W Speed (5回の平均値) | 比較 |
---|---|---|---|
Raspberry Pi 5 Model B | Read | 355.16MB/sec | 1.42倍 |
Raspberry Pi 4 Model B | Read | 249.51MB/sec | – |
Raspberry Pi 5 Model B | Write | 245MB/sec | 1.39倍 |
Raspberry Pi 4 Model B | Write | 176MB/sec | – |
for i in $(seq 5); do sudo hdparm -t /dev/sda2; sleep 5; done
for i in $(seq 5); do dd if=/dev/zero of=/tmp/testimg bs=1M count=1024; sleep 5; done
Raspberry Pi 4/5の消費電力も測定してみました。全体的に5のほうが高めですが、しかし両者の効率性を比較するならば、本来調べるべきは「一定量の処理を完遂するのに要する消費電力量」という電力効率かもしれません。
SBC本体 | 状態 | 消費電力 | 備考 |
---|---|---|---|
Raspberry Pi 5 Model B | OS起動後アイドル状態 | 4.8〜4.9W | USB-SSDを接続 |
Raspberry Pi 4 Model B | OS起動後アイドル状態 | 3.7〜4.0W | USB-SSDを接続 |
Raspberry Pi 5 Model B | yes >/dev/null 4並列 | 10.7W | USB-SSDを接続 |
Raspberry Pi 4 Model B | yes >/dev/null 4並列 | 6.7〜7.0W | USB-SSDを接続 |
Raspberry Pi 4/5のCPU温度とCPUクロックは、次のコマンドでモニタ可能です。
## Raspberry Pi 5での一例
$ sudo vcgencmd measure_temp
temp=47.2'C
$ sudo vcgencmd measure_clock arm
frequency(0)=2400004352
## Raspberry Pi 4での一例
$ sudo vcgencmd measure_temp
temp=46.7'C
$ sudo vcgencmd measure_clock arm
frequency(48)=1500398464
様々なベンチマーク記事を参照してもわかるように、SoCがBCM2712に更新されたRaspberry Pi 5は、BCM2711の4と比べて順当にパワーアップしている感触があります。我が家においてはこの有り余るパワーをどう使うのがふさわしいかを考えてみると、負荷が一時的に高くなる可能性がある仕事を平準化して24時間割り当てられるとメリットありそう。そうしますと、Raspberry Pi 5にはProxmox VEなどインストールして仮想基盤として稼働させ、複数の本番系サーバサービスをその上で動かす運用がまず思い浮かびます。そして我が家の現行サーバであるRaspberry Pi 4は、各種テスト用のおもちゃとして活用し尽くす、という方向性になりそうな気がします。
Raspberry Pi 5の基板からの発熱については、実験中の室温とCPU温度の関係性を見る限り、今回用いたファンレスのケースならばそのまま日常運用してもよさそうですが、もし不安ならば、ファン付きのケースに収めて運用するのが良いかもしれません。ちなみに私の場合は下記のファン付き公式ケースを実は最初に購入し、その後に見つけたファンレスのケースにメカニカルな魅力を感じたため、まずは後者で運用してみようかと思っています。
種別 | 商品名 | 購入価格 (税込) | 購入店 | 備考 |
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ケース | Raspberry Pi 5用公式ケース Red/White | 1,672円 | スイッチサイエンス |