テレビ等で採用されているwebOSのオープンソース版をラズパイで起動してみた

テレビ等で採用されているwebOSのオープンソース版をラズパイで起動してみた
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webOS OSE (Open Source Edition)

webOS OSE (Open Source Edition) と名付けられたwebOSのオープンソース版がラズパイで動かせると聞いて、どんなもんなのかなと、実際に起動を試してみました。

Introduction | webOS Open Source Edition によると、webOSはスマート機器向けのソフトウェア・プラットフォームとのこと (webOSがhpからLGへ売却された2013年のニュース、うっすら覚えている気もする)。たとえばテレビに搭載されているOSとしてはGoogle TVがまず有名ですが、シェアの上で現在おそらく、webOS TVはその好敵手に位置づけられると思います。そういえばうちのテレビはLG製でwebOSが搭載されているなぁ。

pre-buildイメージで実験

webOS OSE 2系 (以下webOS) の自前build (Building webOS Open Source Edition) を行うことは、時間と工数の関係上ちょっと難しいと予想したため、pre-buildされたイメージをダウンロードしてmicroSDカードに書き込み、それでラズパイが起動するかどうかを確認することにします。

webOSを動作させるラズパイとしては (System Requirements)、Raspberry Pi 4が必要です。今回は手元に余っている「Raspberry Pi 400」で試してみます。

インストールと動作確認手順

  1. GitHubの Releases · webosose/build-webos から webos-ose-2-22-0-raspberrypi4-64.tar.bz2 または webos-ose-2-22-0-raspberrypi4-64-devel.tar.bz2 をダウンロードします (今回は後者にします)
  2. ダウンロードした 〜.tar.bz2 を展開して 〜.wic を取り出します (アーカイブファイルはどうやら入れ子構造になっている)
    $ tar -xvf ./webos-ose-2-22-0-raspberrypi4-64-devel.tar.bz2 
    webos-image-devel-raspberrypi4-64.rootfs.wic.bz2
    README.md
    
    $ bunzip2 ./webos-image-devel-raspberrypi4-64.rootfs.wic.bz2
    
    $ file ./webos-image-devel-raspberrypi4-64.rootfs.wic 
    ./webos-image-devel-raspberrypi4-64.rootfs.wic: DOS/MBR boot sector; partition 1 : ID=0xc, active, start-CHS (0x40,0,1), end-CHS (0x3ff,3,32), startsector 8192, 148974 sectors; partition 2 : ID=0x83, start-CHS (0x3ff,3,32), end-CHS (0x3ff,3,32), startsector 163840, 11586764 sectors
    
  3. Flashing webOS OSE | webOS Open Source Edition を参考に、〜.wic をmicroSDカードに書き込みます
  4. microSDカードをラズパイに差し込んで起動します
  5. webOS OSE UI Guide | webOS Open Source Edition にしたがって、マウスとキーボード操作でwebOSのUIを嗜みます
    • 言語設定を日本語に切り替えることもできました
    • only available on touch displays なUIがいくつかあって、それらはタッチディスプレイではない今回の環境では試せなさそうです
    • USBカメラを接続すると「Camera App」でカメラ画像が表示されました (カメラの複数台接続もいけそうな雰囲気です)

おまけ情報として。webOS OSEの開発ツール込み版 (webos-ose-2-22-0-raspberrypi4-64-devel.tar.bz2) を走らせたラズパイに関しては、次のことに気づきました。詳細はドキュメントに書いてあるのかもしれないがまだ確認していません。

  • ssh -l root IPアドレス でSSHログインできる
  • http://IPアドレス:8000/ で何らかのウェブサービス (API?) が動いている

参考リンク