IT資産管理ツール「Ralph」のインストール時のエラーを回避する暫定手順 〜Ver.20230706〜

IT資産管理ツール「Ralph」のインストール時のエラーを回避する暫定手順 〜Ver.20230706〜
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インフラ管理に使えるOSSといえば

「データセンターインフラ管理 (DCIM: Data Center Infrastructure Management)」や「設備資産管理 (EAM: Enterprise Asset Management)」といった類の管理を、システムを使って行いたい要件があり、まずは試しに、以前使っていたことがあるOSS「Ralph」の環境を数年ぶりに構築しようとしました。

ところが、本記事執筆時点 (2023-07-06) では、インストールを下記の公式マニュアルの手順通りに行ってもうまくいきません。具体的には、インストール手順の「Ubuntu package」のほうはURLが一部404: Not Foundエラーになり、「Docker installation」のほうは管理画面へのログイン時にServer Error (500)エラーが発生します。

数時間どうにか試行錯誤してみると、後者の「Docker installation」についてはインストールが成功する暫定的な手順を見つけたのでここに記録します。

Docker installation の暫定手順

Docker installation」は、次の手順で進めるとインストールに成功してRalphの正常起動までたどり着けます。

git clone https://github.com/allegro/ralph.git
cd ralph/docker
cp -a docker-compose.yml{,.original}
vim docker-compose.yml                        # Edit the value "80:80" to "8080:80" in nginx section if you wish

##docker compose build                        # This line does not need to be executed
##docker compose run --rm web /root/init.sh   # This line does not need to be executed
##docker compose run --rm web ralph demodata  # This line does not need to be executed
docker compose up -d

docker exec -it --user root docker-web-1 /bin/bash
/var/local/ralph/docker-entrypoint.sh init    # Initializing database
/opt/ralph/ralph-core/bin/ralph demodata      # Optional step for demodata
exit

open http://0.0.0.0:8080/                     # ralph:ralph -> OK

肝は、Ralph Web本体のDockerコンテナの中に入り、docker-entrypoint.sh initを手動実行してデータベースを初期化しているところです。本記事執筆時点での公式手順ではデータベースの初期化方法の記述が古いままで、ソースコードの実状に合わなくなっちゃっているようです。

P.S. Issue #3774

GitHubのIssueに、このインストール失敗の話題が上がっていたのでコメントを付けました。願わくば、最終的に関連ファイルが上手に修正されて問題なくインストールできるようになると嬉しいです。

参考リンク