オペ室はやはり薄い若葉色の壁で、天井の辺に沿って白色光の強い照明があり、真ん中の2セットの無影灯がこっちを向いている。洋楽のラップのような、小刻みなビートの音楽が流されている。身体の鎖骨あたりと足の指にセンサーが取り付けられ、僕の心拍を示す電子音がピッピっと鳴る。音の高さは何を表しているのだろう?
不意に、「心拍は普段からこんなに遅いのですか?」と聞かれ、そうかもしれないと答えながら、『サイコパス』で読んだ、サイコパスと心拍数の関係を思い出す。本人は、緊張しているつもり。
医師二人は“透視”の機械を用いながら相談しあい、脇の下の神経に何かが打たれ、感覚が極度に鈍くなって右手が本体の意識から離れる。ちなみに視界は、上半身にかけられた青色の紙のようなものに遮られている。左側の見えるところに看護師さんがいて、時折、僕の具合を尋ねてくれる。
「ドリル」やら「ハンマー」という単語にビビりつつ、今更とにかく耐えるしかなく、太さ1.2mmの針金を手首の外側から小指へ三本通したという、一時間半ほどの手術は終了した。
昨夜寝るときは麻酔がまだ残っていて、ほとんど動かせなかった右手の指が、今朝は動かせることを確認。回診の際には手首の包帯が取られて、その下の、針金が出ている縫い口を見ることができた。これは……、物が当たると死ぬ。極めて痛そうすぎる。(x_x)
病院着が暑く感じられていたが、午後にはTシャツ姿に戻ることができ、抗生物質の点滴も終了して左手はフリーになった。右手は通常、三角巾に通している状態。リハビリはまだ無し。