癖を攻略してMini PCへESXiインストール
購買欲そそられてついポチッと買ってしまった、安めのMini PC (Vorke V1) に、個人的に仮想環境に慣れるためVMware ESXiをインストールしてみたので、その記録を簡単にご紹介です。この機種へのESXiインストールには一癖ありました。同様な悩みを持つ方にとって、参考情報となれば幸いです。
Vorke V1というMini PCについて
- 機種: Vorke V1 http://www.geekbuying.com/item/Vorke-V1-Intel-Celeron-J3160-4G-64G-MINI-PC-802-11b-g-n-Gigabit-LAN-Bluetooth4-0-HDMI---Black-367582.html
- CPU/MEM/SSD: Celeron J3160 quad core (Braswell世代), 4GB, 64GB
- 価格: 海外サイトからの送料あわせて約170ドル
- 分解写真: http://www.cnx-software.com/2016/06/18/vorke-v1-braswell-mini-pc-unboxing-and-teardown/
- 私なりのカスタマイズ: メモリは8GBに増量, 底部の空SATAインタフェースに1TB SSHDを追加して2ドライブ化
Vorke V1へのESXiインストール手順
インストールするESXi: VMware ESXi 6.0 Update 2
Vorke V1にプレインストールされているWindows環境を使ってBIOSを最新にした後、Secure Bootを切ります。ちなみにNICのMAC ADDRESSをこの段階で調べておくと後で楽です (★)。
- VMware ESXiをインストールするとプレインストールのWindows環境は消去されます。Windows環境を復旧するには http://blog.geekbuying.com/index.php/2016/07/06/vorke-v1-intel-braswell-celeron-j3160-windows-mini-pc-driver-released/ で入手できる「firmware」一式を適用すればOKです。
ESXi-Customizer-PS http://www.v-front.de/p/esxi-customizer-ps.html を使ってESXiカスタムインストール用のISOイメージを作成します。今回はパラメータとして「-load sata-xahci,net55-r8168,cpu-microcode」を追加しました。
- 参考) vSphere ESXi 6でRealtek NICを動かす(ESXi-Custmizer-PS編) - 雑木林 http://zokibayashi.hatenablog.com/entry/2015/11/02/044311
- 参考) List of currently available ESXi packages - V-Front VIBSDepot Wiki https://vibsdepot.v-front.de/wiki/index.php/List_of_currently_available_ESXi_packages
作成できたESXiのISOイメージを、UNetbootinなど使用してUSBメモリに焼きます。
Vorke V1を上記USBメモリで起動します! しかし途中で「Relocating Modules and starting up the kernel」が表示された後、インストールが止まっているような状況に遭遇します……。なぜか画面が変わらない。
そこでどうするか。下記参考ページの方法でESXiの自動インストールを試みます。参考ページと同じようにks.cfgを作成し、手順4の「runweasel ks=usb:/ks.cfg」を入力するまで頑張ってみてください。
- 参考) Intel NUC(NUC5CPYH)にVMware ESXiを入れる - Qiita http://qiita.com/dalance/items/f3aa446aeef49220e437
Vorke V1には簡素化のためかHDDアクセスランプが存在しませんので、外観からはインストールの進捗が分かりません。辛抱強く待ってみましょう。
私の環境では、「runweasel ks=usb:/ks.cfg」を入力して約5分後にVorke V1が勝手に再起動しました。この再起動はインストールプロセスの過程なので良い兆候で、インストールが成功した証になります! しかしESXiのインストールが、狙っていた本体SSDではなく、追加SSHDのほうにされていることに気付く。これはもうあきらめる。
- 失敗談) 上記のks.cfgの中身を用いつつ、Vorke V1に追加SSHDを接続せずに本体SSDのみの状態にして、ESXiインストールを進めると、なぜか、USBメモリ自体にESXiをインストールするような挙動をしていたような。この問題の回避方法は結局わからず。
今回のバージョンのESXiにはWeb UIがありますので、http://【DHCPでVorke V1に割り当てられるIPアドレス】/ にアクセスして、ESXiの稼働を確認してみましょう。(上記★でMAC ADDRESSをあらかじめ調べておけば、別PCでのarpコマンドなどでIPアドレスを突き止められます)
Vorke V1の本体SSDを、ESXiのローカルスワップ・ホストキャッシュとして使うようにWeb UIで設定できます。
感想
数台のマシンを乗せられる仮想環境が、机上に置ける小さな安いハードで実現できるって、エコだし、いいですね。様々なISOをダウンロードし、常時稼働サーバを試しに作っては遊んでいます。