
フェルマーの最終定理(新潮文庫) サイモン・シン (著), 青木薫 (翻訳) 数百年解かれずに存在するような数学の難題に、知力で挑む、とはどのような生き様であるか。本書は、古代から現代に至るまでの数 …

物理学の世界で、物の大きさの値を対数表現 (log10) することが多いが、いわゆるそのスケールを自在に操っている、壮大なストーリー。また、登場人物に関する心理描写も多彩で読者を置き去りにするような …

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫) 村上春樹 (著) 描かれている出来事は実は普遍的なもので、読者自身の過去に照らしたら、必ず何らかの共通項が見い出せそう。そう感じながら読んだ。 …

サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル ティエン・ツォ (著), ゲイブ・ワイザート (著), 桑野 順一郎 (翻訳), 御立 英史 (翻訳) 読み進めていくにつれ分 …

丹羽宇一郎 戦争の大問題―それでも戦争を選ぶのか。 丹羽 宇一郎 (著) 時代の世論は揺らいで社会の空気を変え、人々が「常識はこうだ」「真実はこうだ」「だからこうすべきだ」と判断する際の相対的な基準 …

いま、絶望している君たちへ パラアスリートで起業家。2枚の名刺で働く (日本経済新聞出版) 初瀬勇輔 (著) 障害者に特化した人材紹介会社などを立ち上げている方の、半生記。著者は、大学生時代に緑内障 …

「社会を変える」を仕事にする ― 社会起業家という生き方 駒崎弘樹 (著) 縦書きの所々の言葉がフォント大きめ状態という、どこか懐かしさを覚える体裁をしていた (読んだのはKindle版)。本書の全 …

ハロー・ワールド (講談社文庫) 藤井太洋 (著) 読む前の、軽く流して読めるものという予想と異なっていたのは、読者の側の、ITを理解するスキル、そして、ITを現実世界に適用する際のモラルをどう考え …

すばらしい新世界 (中公文庫) 池澤夏樹 (著) 過去の読書記録によると、私がこの物語を最初に読んだのは2001年6月。当時は大学院生で、研究と称してインターネットにどっぷり浸かって泳いでいた頃であ …

法のデザイン 水野祐 (著) 「法により創造性やイノベーションを加速させる」とはどのようなことなのか。本書は、法をデザインする、すなわちリーガルデザインのマインドが、これを可能とする道筋を示してい …

キッド (幻冬舎文庫) 相場英雄 (著) 緊張の糸が解けない日中関係、戦闘行為と憲法での定義の狭間にあって存在揺らぐ自衛隊。といった今時な日本の情勢を題材として、うまく練り込んであるアクション小説で …

銃・病原菌・鉄 上巻 ジャレド ダイアモンド (著), 倉骨 彰 (翻訳) 銃・病原菌・鉄 下巻 ジャレド ダイアモンド (著), 倉骨 彰 (翻訳) 分量が多くて、上下巻を読み通すのに一ヶ月以上か …

自壊する帝国(新潮文庫) 佐藤 優 (著) 組織神学を大学生・院生時代の研究テーマにしていた著者が、ふとしたきっかけで外務省に入り、崩壊していくソ連 (ソビエト社会主義共和国連邦) での日本国外交官 …

プラスチックの恋人 (早川書房) 山本 弘 (著) 人間の性的な相手を、人形ロボットすなわちアンドロイドが担う商業サービスが成り立っている、2040年代の日本を舞台にした物語である。そのサービスを享 …

真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学 (講談社現代新書) 中野剛志 (著) 以前読んだ『日本の没落』と同じく、中野剛志氏の著書である。私なりの解釈で述べると、米国に続き日本社会が短期主義に …

豊田章男が愛したテストドライバー (小学館文庫) 稲泉連 (著) 日本の自動車は、第二次世界大戦後に輸出が本格化。海外での想定以上の道路環境・利用環境から洗礼を受け、工業製品&サービスとして成長が進 …

日本の没落 (幻冬舎新書) 中野剛志 (著) 比較的長い時間をかけて噛み砕かねばならぬ、私にとって馴染みが薄いジャンルの高濃度な新書。だがしかし知的におもしろかったものだから、2度読み通した。 ドイ …

2019年版間違いだらけのクルマ選び 島下 泰久 (著) 私にとって年末年始恒例の読書本で、特集と数十車種分のインプレッション記事を通読することで、車社会の最新トレンドを整理する。今回は冒 …

アイの物語 (角川文庫) 山本 弘 (著) 知能として完全なロボットの文明が繁栄し、他方、人間の勢力が地球上でメジャーではなくなっている未来の物語。この物語の中では、アイビスという人型のロボットが、 …

情報戦争を生き抜く 武器としてのメディアリテラシー (朝日新書) 津田 大介 (著) 情報世界でのさまざまな「情報」は、たとえば、地理的に遠い別の大陸で起こる事件に関してのものだから私の日常とは無関 …